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防衛省が「存在しない」としていた自衛隊の日報がまた発見された。今回はイラク派遣部隊ではなく、昨年の国会審議に激震を与え、当時の稲田朋美防衛相を辞任に追い込んだ南スーダンPKOの日報だった。発見できるチャンスは何度もあったにもかかわらず、ここまで遅れた背景には、公文書管理に対する防衛省の希薄な意識が浮かび上がる。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180410-00000058-san-pol
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防衛省が国会で「不存在」としていた自衛隊のイラク派遣部隊の日報が、陸上自衛隊に続き、航空自衛隊でも見つかった。昨年2月に当時の稲田朋美防衛相の指示で探索した部署から事後に見つかるという構図は陸自と同じ。さらに南スーダン国連平和維持活動(PKO)日報問題の再発防止策の柱として掲げられた「統合幕僚監部への日報の集約」を行う段階でも見逃されており、教訓が生かされていなかったことが浮き彫りになった。
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この日報問題の根源は省の隠蔽体質なのか、それとも憲法9条のせいなのか、国際平和協力法のせいなのでしょうか。
主的には全てだと思います。
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わが国が国際平和協力法に基づき国連平和維持活動に参加する際の基本方針のことで、
紛争当事者の間で停戦合意が成立していること
国連平和維持隊が活動する地域の属する国及び紛争当事者が当該国連平和維持隊の活動及び当該平和維持隊への我が国の参加に同意していること。
当該国連平和維持隊が特定の紛争当事者に偏ることなく、中立的立場を厳守すること。
上記の原則のいずれかが満たされない状況が生じた場合には、我が国から参加した部隊は撤収することができること。
武器の使用は、要員の生命等の防護のための必要最小限のものを基本。受入れ同意が安定的に維持されていることが確認されている場合、いわゆる安全確保業務及びいわゆる駆け付け警護の実施に当たり、自己保存型及び武器等防護を超える武器使用が可能。
の5つを指し、それぞれ国際平和協力法の中に反映されています。
我が国が国連PKOに参加する場合においては、武器使用は要員の生命等の防護のための必要最小限のものに限られています。また停戦合意が破れた場合には我が国部隊は業務を中断、撤収することができる等のいわゆる参加5原則という前提を設けており、我が国が憲法で禁じた武力行使を行うことはなく、憲法に反するものではありません。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/pko/q_a.html
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日報を無かったことにしようとした理由は、
自衛隊が戦闘停止地域ではなく戦闘地域で活動した
実際に戦闘に巻き込まれて戦闘を行なった
この2つが原因ではないでしょうか。
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防衛省HP スーダン経緯と成果
http://www.mod.go.jp/j/publication/net/shiritai/sudan/index.html
イラク派遣 10年の真実
http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3485/1.html
特別企画座談会
「日本がイラクで成し遂げたこと」
(「外交フォーラム」平成17年1月号より転載)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/iraq/g_forum_0501.html
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を読んでいただくとわかりますが、当時の派遣された隊員はかなりの重圧と戦いながら、イラクの復興のために任務をこなしていました。
その期間はなんと10年です。
そして、表に出てくるのは自衛隊がどれだけイラクのために復興支援できたかばかりです。
派遣された自衛隊員の約1割〜3割の自衛隊員は何かしらの心理負担を帰国後訴えたり、28人もの自衛隊員は残念ながら自殺してしまいました。
南スーダンへの派遣でさえ自殺者が残念ながら出ています。
米国でも問題になってますが、戦場での体験が私生活に影響を及ぼし心的外傷後ストレス障害(PTSD)になってしまう帰還兵が多いのです。
日本の場合は戦闘地域ではないと言うのが前提です。そのため、戦闘地域になった場合は現地の事情がどうであれ即撤収が理想なのです。
しかし、即撤収が難しいのが現実です。なぜなら支援しているのが日本一国ではないためです。
参加国は日本を含めて13カ国あり、どの地域でも戦闘地域になる可能性は十分考えられます。そして、危険になったからといって1つの国が即撤収などしたら残りの国はどう思うのでしょうか。
要は体面の問題です。
あくまで主の邪推です。そもそも主は自衛隊の海外派遣に賛同できません。
過去にも書いてきましたが、自衛隊にはあまりにも制約が多すぎるのです。
自国を守る実力はあると信じたいですが、制約のために犠牲者を出してからしか戦うかどうか決めることができない軍隊でもない組織に、不安定な情勢の海外に行ってこいなんてどう考えてもバカげてます。
そもそも必要最小限の武装とはなんなのでしょうか。
今やテロ組織はロケット砲や、戦闘機はなくても戦車や装甲車に準ずるような改造車など当たり前のように持っています。
さらに、地元の武装組織であれば土地勘もあります。もしかしたら地域住民も味方かもしれません。一歩踏みいれた場所はほとんど敵地であり、安全とは誰も信じることができません。
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陸自南スーダン派遣部隊の装備火器は諸外国や武装勢力からみても火力は弱く、正確な照準がつけ難い。また照明弾や煙幕弾を使用できないために、味方の位置を秘匿したり、夜間に敵の位置を確認したりすることが困難である。他国の軍隊、あるいは武装勢力と戦った場合に同等の規模の戦闘を行った場合に、より大きな犠牲を出す可能性が高い。陸自の普通科は昭和の時代から取り残されている。当然ながら現代的な装備を持った他国の軍隊と比べて被害が出る確率はどうしても高くなる。
https://search.yahoo.co.jp/amp/japan-indepth.jp/%3Fp%3D31120%26amp%3D1%26usqp%3Dmq331AQGCAEYASgB
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武装については詳しくないのでなんとも言えませんが、この記事を読む限りやはり派遣時の武装は貧弱とは言いませんが、足りないのでは?と感じてしまいます。
そして日報問題に繋がるのですが、自衛隊はなんらかのアクシデントに対処し、それを日報にしたのかもしれません。
南スーダン時であれば、その日報を元に撤退する結論を出したと言えば批判はされるでしょうが納得はできます。しかし、もしその日報がイラク派遣時の半ばぐらいのであればそれは隠蔽です。
日報とは業務経過をまとめたものであり活動の記録です。そもそも無いのがおかしいので、きちんとあっただけでもよかったです。
最後に
もしも、見つかったいずれかの日報に戦闘に準ずることが書いてあり、その内容に負傷者や満足な戦闘ができず危機に陥ったなどが記載されていた場合ははるかに深刻です。
自衛隊という組織の位置付けや戦闘のルールの固定、武装の制約を取り払う方がよほど大事です。
私たちや政治家はイラクやスーダンには行っていません。
日本の体面のために、あるいは私たちのために現地に行くのは自衛隊員の方々です。
そんな自衛隊員の方々の活動の記録をないがしろにするような組織は、一度組織の仕組みを作り変える必要があると思いますし、体面ばかりを守るような組織に絶対になってはなりません。
この問題を機に自衛隊の制約と在り方、海外派遣をもう一度考える必要があります。
膿を出し切ったのか、はたまた別の場所から出てくるのか、もはやこれは安倍政権だから起きたとかではなく、ずっと昔から似たようなことをやり続けてきて慣例となってしまっているのではと不安になります。
自衛隊の日報は機密扱いにもなると思うので全てを公表する必要は全くないと思いますが、戦闘があったか無かったかだけぐらいは知る必要があります。
この際、時間はかかると思いますが安倍政権に膿を出し切ってもらえれば、それだけでも一歩踏み込んだ各省庁の見直しに繋がるはずです。